「日本にいたときは気にならなかったのに、バンコクに来てから髪がゴワゴワする」
「トリートメントしても翌日にはパサパサに戻ってしまう」
neveでとても多い相談のひとつです。
先にお伝えしたいのは、これはあなたの髪質のせいでも、ケアの仕方が間違っているわけでもないということ。原因は、毎日のシャワーで使っている水にあります。
日本とバンコクの水は、そもそも別の水
水道水にはミネラル(カルシウムやマグネシウム)が含まれています。この含有量を「硬度」と呼びます。
| 硬度 | 分類 | |
|---|---|---|
| 東京の水道水 | 50〜60 mg/L | 軟水 |
| バンコクの水道水 | 100〜120 mg/L以上 | 中硬水〜硬水 |
バンコクの水は東京の約2倍のミネラルを含んでいます。
数字だけだとピンと来ないかもしれませんが、実際に暮らしていると気づくはずです。シャンプーの泡立ちが悪い。すすいでもなんとなく髪がキシキシする。タオルドライ後の指通りが以前と違う。
これらはすべて、硬水の影響です。
硬水が髪と頭皮にしていること
① 「金属石鹸」が髪と頭皮に積もっていく
硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムは、シャンプーの洗浄成分(界面活性剤)と化学反応を起こして「金属石鹸」と呼ばれる不溶性の残渣を作ります。
この金属石鹸は水で流しても完全には落ちません。シャワーのたびに少しずつ、髪の表面と頭皮に蓄積していきます。
髪の表面に積もると、キューティクルの隙間に入り込んでゴワつきの原因になります。頭皮に積もると、毛穴を詰まらせて正常な皮脂の排出を妨げます。これが頭皮のかゆみ、乾燥、慢性的な炎症につながる流れです。
日本の軟水ではこの反応がほとんど起きないため、バンコクに来て初めて「シャンプーしてるのにスッキリしない」という経験をする方が多いのです。
② 塩素が頭皮のバリアを壊す
バンコクの水道水には、日本と同様に消毒用の塩素が含まれています。ただし、配管が長く古い建物が多いバンコクでは、末端での残留塩素が比較的高くなる傾向があります。
塩素は頭皮の表面にある皮脂膜——いわば天然のバリアを分解します。バリアが弱くなった頭皮は、外からの刺激に対して無防備になります。硬水のミネラルも、PM2.5も、紫外線も、バリアが健全なら多少は防げるものが、そのまま入り込んでしまう。
シャンプー後に頭皮がつっぱる感じがあるなら、塩素の影響が出ているサインかもしれません。
③ 金属イオン+紫外線が「フェントン反応」を起こす
これはバンコク特有の問題です。
硬水を通じて髪に蓄積する微量の金属イオン(特に銅や鉄)は、それだけでは大きな問題になりません。しかし、バンコクの強い紫外線(UVインデックス年間11〜12以上)を浴びると、蓄積した金属イオンが触媒となって強力な活性酸素を発生させます。
この反応を「フェントン反応」と呼びます。
通常の紫外線ダメージとは比較にならない破壊力で、髪の内部にあるタンパク質の結合を切断していきます。キューティクルの層の間に微小な空洞ができ、髪が内側からスカスカになっていく。外からトリートメントを入れても、すぐに抜けてしまう状態です。
「バンコクに来てからトリートメントの持ちが悪くなった」と感じる方は、この反応が起きている可能性があります。
④ 乾季の「塩水シャワー」問題
12月から4月の乾季、バンコクの水道水にはもうひとつの問題が加わります。
チャオプラヤ川の水位が下がることで、河口から海水が逆流してきます。水道水の塩分濃度が上がり、シャワー中に塩味を感じるほどになることもあります。
塩分濃度が高い水で髪を洗うと、浸透圧によって髪の内部から水分が急速に引き出されます。海水浴のあとに髪がバリバリになるのと同じ原理です。乾季に髪のパサつきがひどくなる方は、この影響を受けている可能性があります。
「日本のシャンプーで丁寧に洗う」だけでは解決しない理由
「良いシャンプーを使えばいいのでは?」という疑問は当然です。
ただ、日本で販売されているシャンプーの多くは、硬度50〜60 mg/Lの軟水を前提に設計されています。金属イオンへの対処はそもそも想定されていません。
丁寧に洗えば汚れは落ちますが、金属石鹸の蓄積は通常のシャンプーでは除去できません。毎日きちんとケアしているのに髪の状態が良くならないとしたら、それはケアの質の問題ではなく、水の問題です。
バンコクの水に合わせたケアの考え方
キレート成分の入ったシャンプーを取り入れる
「キレート」とは、金属イオンを化学的に挟み込んで洗い流す作用のことです。成分表示に以下が含まれているシャンプーを探してみてください。
- EDTA(Disodium EDTA / Tetrasodium EDTA)
- Phytic Acid / Sodium Phytate(フィチン酸)
毎日使う必要はありません。週に1〜2回、キレートシャンプーで蓄積をリセットし、残りの日は弱酸性のアミノ酸系シャンプーで優しく洗う。この使い分けが、バンコクの水質に合ったケアの基本です。
シャワーヘッドフィルターの導入
蛇口に取り付けるフィルターで、残留塩素と一部の金属イオンを物理的に減らせます。完全な軟水にはなりませんが、頭皮バリアへのダメージを軽減する効果があります。
フィルターの種類はいくつかありますが、「残留塩素除去」と明記されているものを選ぶのが基本です。カートリッジの交換時期を守ることも大切で、使い続けるとフィルター自体が汚染源になります。
洗い方そのものを見直す
バンコクの水で髪を洗うときに意識したいのは3つです。
すすぎを長めに。 硬水は泡切れが悪いため、日本と同じ感覚ですすぐとシャンプーの残留が起きやすくなります。いつもより30秒〜1分長くすすぐだけで、金属石鹸の蓄積量が変わります。
お湯の温度をぬるめに。 熱いお湯はキューティクルを大きく開き、金属イオンが内部に入りやすくなります。38℃前後のぬるま湯がベースです。
タオルドライは揉み込むように。 ゴシゴシ拭くとキューティクルがめくれ、金属石鹸が隙間に入り込みます。タオルで髪を挟んで、ギュッギュッと水分を吸わせるやり方がおすすめです。
ホームケアで取りきれないものもある
日々のシャンプーとフィルターで、日常的な蓄積はかなり軽減できます。
ただし、長期間にわたって蓄積したミネラルや金属イオンは、ホームケアだけでは完全に除去しきれないことがあります。特に頭皮の毛穴深部に定着したものは、家庭用のシャンプーでは届きにくい場所にあります。
neveでは施術前にデトックスエステ(メタルデトックス+ソーダクレンジング)を行い、髪と頭皮に蓄積した不純物を取り除いてから施術に入ります。これにより薬剤や栄養分がきちんと浸透し、施術の効果が長持ちします。
「しばらくサロンに行っていないけど、最近髪の調子が良くない」という方は、まずこのデトックスから始めるのもひとつの方法です。
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neve hair salon
バンコク在住の日本人・タイ人女性の髪の悩みに向き合うサロンです。
全ケミカルメニューに薬剤分解ケア(エートス)を含み、施術後の残留薬剤を毎回除去しています。
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