バンコクの水・紫外線・湿度・空気が、あなたの髪に何をしているか

バンコクに来てから、なんだか髪の調子がおかしい。

パサつく、広がる、ベタつく、かゆい、抜ける、においが気になる——。

日本にいた頃と同じシャンプーを使って、同じように乾かして、同じトリートメントをしているのに。

そのケアは日本では正しかった。でもここはバンコクでは少し変わります。

東京の水道水は硬度60。バンコクは100以上。(中硬水)
東京の冬のUVは2〜3。バンコクは年中11超。(5倍⁉️)

日本とバンコクでは、毎日あなたの髪に触れている「水」「光」「空気」「温度」のすべてが、根本的に違うのです。

この記事では、バンコクの4つの環境要因が日本とどう違い、髪の中で何を引き起こしているのかを、できるだけわかりやすくお伝えします。ここで全体像をつかんでおくと、個別の悩み(抜け毛、白髪、パサつきなど)の記事がぐっと理解しやすくなります。

シャワーの水が違う — 硬水と「見えない膜」の話

日本とバンコク、水の中身が全然違います

日本の水道水はミネラルが少ない「軟水」(硬度50〜60mg/L)。泡立ちがよく、すすぎも楽で、髪に余計なものが残りにくい水です。

バンコクの水道水はミネラルが多い「硬水寄り」(硬度100mg/L以上)。カルシウムやマグネシウムがたっぷり溶けています。pHは実測で7〜7.5程度と日本の水道水に近いものの、配管の状態や地域によってはさらにアルカリ側に振れることもあります。

アルカリ寄りの水は髪の乾燥の原因になったり、ヘアカラーの褪色を早めたりなど、良い影響とは言えません。

何が起きているか — 「金属石鹸」という見えない膜

硬水でシャンプーをすると、水の中のミネラルとシャンプーの洗浄成分が化学反応を起こします。
このとき生まれるのが「金属石鹸」と呼ばれる物質。

お風呂場の鏡につく白い水アカと同じようなものが、実は毎回のシャワーであなたの髪と頭皮にもべったりと積もっているのです。

この金属石鹸は水で流しても落ちません。毎日のシャワーで少しずつ層になり、髪の表面にワックスのような膜をつくります。

きれいなガラスの窓に、毎日少しずつ曇りガラスのフィルムを貼っていくようなもの。光を通さなくなり(ツヤがなくなり)、窓の向こうが見えなくなります(トリートメントの成分が浸透しなくなる)。

髪にどう影響する?

髪がゴワつき、指通りが悪くなります。

トリートメントを塗っても「入っていかない」「効果を感じない」感覚がある方は、この膜が原因かもしれません。

カラーの褪色が異常に早くなるのも、アルカリ性の水がキューティクルを強制的に開いて色素を流出させているからです。

さらにバンコクでは、乾季(12月〜4月)にチャオプラヤ川への海水の逆流が起きて、水道水の塩分濃度が跳ね上がることがあります。
海水浴の後のような脱水ストレスが、毎日のシャワーで髪にかかっている状態です。

比較項目 日本(東京) バンコク
水の硬度 50〜60 mg/L(軟水) 100 mg/L以上(硬水寄り)
pH 約7.5(中性) 実測7〜7.5程度(ほぼ同等)
乾季の塩分 年間安定・低い 海水逆流で急上昇することがある

この水質問題がどんな髪のトラブルにつながるかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

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紫外線が「年中無休」— 髪の内部で起きている連鎖反応

日本の冬がない、ということの意味

東京の紫外線は夏にピーク(UVインデックス8〜10)を迎えますが、冬には2〜3まで下がります。
この「冬の休息期間」の間に、髪と頭皮はダメージから少しずつ回復する時間をもらっています。

バンコクのUVインデックスは、ほぼ年間を通じて「11以上(極端に強い)」。
回復できる冬がないまま、365日ダメージが蓄積し続けます。

何が起きているか — 「フェントン反応」という時限爆弾

紫外線だけでも髪のタンパク質を壊しますが、バンコクではもっと深刻なことが起きています。

硬水のシャワーを通じて、鉄や銅などの金属イオンが少しずつ髪の内部に溜まっていきます。
この金属イオン自体はおとなしいのですが、紫外線に当たると「触媒」として暴れ出し、「ヒドロキシラジカル」という非常に破壊力の高い物質を大量に生み出します。

これが「フェントン反応」と呼ばれる化学連鎖反応です。

髪の中に小さな焚き火の種(金属イオン)がバラまかれていて、毎朝バンコクの太陽(紫外線)がそこにマッチを擦るようなもの。
日本の冬のような「消火の時間」がないので、火種はどんどん増えていきます。

髪にどう影響する?

髪の内部のタンパク質が壊れて、中がスカスカになります。

カラーの色素も急速に破壊されるので、褪色が驚くほど早い。(特にアッシュ系やシルバー系の寒色系は紫外線に弱い)

枝毛や切れ毛も増えます。
これは髪の「表面」ではなく「内側」で起きている破壊なので、オイルを塗って表面をコーティングしても止められません。

この紫外線ダメージが引き起こす具体的な症状はこちらで解説しています。
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高温多湿とエアコン — 「膨張と収縮」の繰り返しが髪を壊す

日本の梅雨が1年中続く環境

バンコクの年間平均湿度は70〜80%。気温も年間を通じて30度を超えます。日本の真夏がずっと続いている状態です。

問題は湿度だけではありません。
バンコクの日常は「屋外の猛暑 → BTSやオフィスのキンキンに冷えた冷房 → また屋外」の繰り返し。

この温湿度の急激な変化を1日に何度も体験することになります。

何が起きているか — 「ハイグラルファティーグ」と「インナードライ」

屋外では、高温多湿の空気が、傷んでキューティクルが開いた髪の中にどんどん水分を押し込みます。

髪は湿気の水分を吸ってスポンジのように膨らみます。

室内では、エアコンの乾燥した冷気が、今度は髪から一気に水分を奪い、髪は縮みます。

この「膨張→収縮→膨張→収縮」の繰り返しが、髪の内部に「疲労」を蓄積させます。これを毛髪科学では「ハイグラルファティーグ(水分疲労)」と呼びます。

針金を何度も曲げ伸ばしすると、やがてポキッと折れる「金属疲労」と同じ現象が、髪の中で起きています。

同時に、頭皮でも深刻なことが起きています。

高温多湿で皮脂が大量に出る一方、エアコンの乾燥で頭皮内部の水分はどんどん蒸発。

体は「水分が足りない」と判断して、さらに皮脂を出します。

これが「インナードライ」——表面はベタベタなのに、中はカラカラという矛盾した状態です。

髪にどう影響するか

朝アイロンで伸ばしても、外に出た瞬間に戻る。

髪が広がってまとまらない。

頭皮がベタつくのにつっぱる。

常在菌(マラセチア菌)が増殖して、フケ・かゆみ・においが出やすくなる。

比較項目 日本(東京) バンコク
年間平均気温 9〜29度(四季あり) 32〜38度(ほぼ通年)
年間湿度 46%(冬)〜75%(夏) 70〜80%以上(通年)
屋内外の温度差 穏やか 極端(エアコンで10度以上の差)

温湿度ダメージが引き起こす具体的な症状はこちらで解説しています。
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大気汚染(PM2.5)— 目に見えない粒子が毛穴に入り込む

日本とバンコク、空気の中身も違います

バンコクの乾季(12月〜3月頃)は、PM2.5の濃度がWHOの安全基準の4〜5倍に達することがあります。

東京はほぼ年間を通じて基準内に収まっています。

バンコクに来て初めて「空気が髪を傷める」という現実に直面する方は少なくありません。

何が起きているか — 毛穴に入り込む「見えない侵入者」

PM2.5は直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子。

毛穴の直径(約50〜70マイクロメートル)よりもはるかに小さいため、頭皮の毛穴の奥まで簡単に入り込みます。

さらに、先述の硬水でできた金属石鹸の膜は粘着テープのような性質を持っていて、PM2.5をべったりと吸着します。

そこに皮脂と汗が混ざることで、頭皮と髪の表面に「汚染物質入りの膜」ができあがります。

ベタベタしたガムテープを屋外に貼り出すと、ほこりや小さなゴミがびっしりくっつきますよね。
硬水で膜ができた髪は、まさにその状態で街中を歩いているようなものです。

髪にどう影響するか

髪のタンパク質が酸化ダメージを受けて、黄ばんでくすみます。
頭皮には慢性的な微炎症が起き、抜け毛のリスクも上がります。

PM2.5が紫外線と組み合わさると、ダメージはさらに何倍にも加速します。

大気汚染ダメージが引き起こす具体的な症状はこちらで解説しています。
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4つの要因は「個別」ではなく「連鎖」している

ここが最も大切なポイントです。

これら4つの環境要因は、バラバラに髪を攻撃しているのではなく、お互いにつながり合ってダメージを加速させています。

硬水で金属石鹸と金属イオンが蓄積する
→ キューティクルが開きっぱなしになる
紫外線が内部に入りやすくなり、フェントン反応で内部が壊れる
→ 髪がスカスカのスポンジ状になる
湿気を際限なく吸い込んで膨張する
→ エアコンで急収縮
→ 膨張と収縮の繰り返しで構造疲労が進む
→ 金属石鹸の粘着膜にPM2.5がくっついて、酸化ダメージをさらに上乗せ……

この悪循環に入ってしまうと、日本で使っていたケア方法ではまったく太刀打ちできません。

日本のヘアケア製品は、軟水・四季・清浄な空気という日本の環境に合わせて作られています。バンコクという「まったく違うフィールド」で、同じ装備のまま戦おうとしても、うまくいかないのは当然のことなのです。

neveにできること

neveでは、バンコクの環境と日本人女性の髪質の両方を理解しているスタイリストが、あなたの髪の状態に合わせたケアをご提案しています。

金属イオンの除去(キレート処理)、カラー後の残留薬剤の分解、髪内部の補修と保護膜の形成(髪質改善トリートメント)、頭皮と髪のディープクレンジング(デトックスヘッドスパ)など、

あなたの髪の症状に合わせたヘアケアメニューをご用意しております。

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